top of page

【最高裁決定を受けて Open the Black Box声明】

2022年7月26日

支援者のみなさま


いつもあたたかいご支援とご関心をお寄せいただきありがとうございます。

伊藤詩織さんが性暴力被害を受け、山口敬之氏に対し損害賠償を求めた民事裁判の上告審で、最高裁は2022年7月7日付け双方の上告を棄却する決定をしました。

これにより、山口氏が同意なく性行為に及んだ事実を不法行為と認定し、山口氏に対し332万円余りの損害賠償を命じた控訴審判決が確定しました。


まず初めに判決確定にいたるまで、これまでこの裁判を支え続けてくださった多くの支援者のみなさまに心からの感謝を申し上げます。

実に性暴力の被害から約7年、民事訴訟を提起してから約5年もの歳月を要したことになります。


伊藤詩織さんがご自分の顔と名前を明らかにされたのが2017年10月のことでした。

この間、伊藤さんは「性犯罪の被害者を取り巻いている社会的・法的状況が被害者にとって、どれほど不利に働くものなのか」訴え続け、粘り強く問題提起をしてきました。

この民事裁判の本訴の結果は、その努力が結実したものといえるのではないかと思います。

また同時に、伊藤さんを支援するみなさん一人ひとりが、それぞれのおかれた場所で、共感を広め一緒に闘ってくださった結果であるとも思っています。


またこの間、支援者のみなさま方から、たくさんのあたたかいメッセージをいただきました。

一例をあげますと「あなたが声をあげてくれたことで、この世の中でどれほどの人たちが勇気と力を与えられたでしょうか」、「わたしはあなたです」、「あなたの痛みは私たち全ての痛みです」等。

同じ痛みや苦しみを抱える方々からも本当に数えきれないほどのメッセージをいただき、伊藤さんは支えてくださるみなさんとともにこの裁判を闘い抜きました。

支援者のみなさまに重ねて御礼を申し上げます。


一方、相手方の反訴で、公表行為全体のうちのごく一部に名誉毀損が認められたことは、残念なことでした。

告発の声をあげる方で次のような発信をされている方がいます。

「彼らを告発すれば、たちまち私が名誉毀損の加害者とされる。社会が変容しない限り、社会から出ていくことを勧められるのは性加害者ではなく、性被害者だ。」

確立された裁判例をくつがえすには、一つ一つの裁判の積み重ねが必要です。

伊藤さんに触発され、いままさに自ら訴えを提起して闘っているという声もいただきます。

この裁判は一区切りではありますが、私たちはこれまで勇気を振り絞って声をあげてこられた方々、そして今もなお闘い続けている方々とこれからも共にあることを覚えて、連帯していきたいと願っています。


伊藤詩織さんの民事裁判を支える会

Open the Black Box

bottom of page